2012年08月18日

なぜ竹刀は刀より長いのか?

日本の剣術 (2)

一般に竹刀の長さは三尺八寸を定寸としている。現代人は体格がよくなったこともあり、一般に使用するのは三尺九寸であり、さらに長くなっている。
一方、刀であるが概ね刃渡り二尺三寸、あるいは三寸五分を定寸としている。これも現代人は体格がよいので一般に身長170センチであるなら二尺四寸くらいが適当とされている。

竹刀は全長で表記される。計算すると三尺八寸は約115センチメートル。対して刀は刃渡り二尺三寸として、ハバキ、柄の長さを足して換算すると約98センチメートルであり18センチも長さが違うことになる。この差はどこからきているのだろうか?

幕末、一般には竹刀の長さに決まりがなく、中には異様に長い竹刀を使う者もいたようである。柳川藩の大石進は五尺の竹刀を使った突きで江戸の道場を荒らしまわって有名だが、これに直心影流の男谷精一郎が三尺八寸の竹刀で勝ち、以来、彼が奉行を務めた講武所において三尺八寸を定寸と定め、これが現代剣道に受け継がれたと考えられる。

だが、有名な山岡鉄舟の無刀流のように三尺六寸とわざと短い竹刀を使用し、相手との間を詰め、自らの修行とした場合もあり、現在でも試合では規定の三九を使うが、稽古では三六にこれを詰めて使用している人もいる。だが、やはりそれは特殊な例であり、一般に竹刀の長さは真剣のそれよりも不自然に長い。決まりといってしまえば、それまでだが、このことはなぜそうなのかという納得のいく説明を受けられずにいた疑問の一つであった。

この疑問になるほどと答えてくれたのは明治、大正、昭和の剣道界をリードした剣聖中山博道であり、その著書「剣道手引草」のなかに解説されていた。

「剣道は防具を用いるので、竹刀を握る手には小手をはめている。小手をはめるとこぶしが大きくなり、拳と拳のあいだに距離を置くためには竹刀の柄は素手で握る刀より必然的に長くならざるをえない。そうすると柄だけ長くして刀身の部分が短いのではバランスが悪いので、柄が伸びた分刀身の部分も伸ばし、結果三尺八寸の竹刀が完成した」というのである。
まさに目からうろこの解説であろう。


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posted by YenGood at 17:05 | Comment(0) | 武道、格闘技 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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