2012年08月19日

弓弦 イズル「放課後バトルフィールド」のパロディが斬新すぎてついていけない(ネタバレ)

ネットで悪評だらけだったので買ってみたが、なるほど、これは悪評だらけになるのも納得の出来。

ストーリーをつくるときって、主人公に試練を与え、その試練をなんとか乗り越えさせることでカタルシスを得るのがふつうだと思うんだけど、この作品の場合、その試練がなにもない。

たとえば、最後はサバゲーに勝利して終わりなんだけど、その前に作者はどのような試練をあたえているか?
仲間の一人があるサバゲーチームに対戦をお願いしているときに、階段で足をすべらせて怪我(相手チームはまったく悪くない)。
なので、その相手チームになぜか主人公たちは試合をいどみ、勝利。
それだけなんである。
そして、相手チームも別にそれほどの強豪でもないときてる。

外しのギャグのつもりなのかもしれないけど、そのギャグが面白くないし、ストーリーの展開としても不自然。

ストーリー全体の印象としては、暴力女にサバゲーに誘われる。
最初はいやだったんだけど、やってるうちにサバゲーが好きになる。
どういうわけか、周りの女たちも主人公のことが好きみたいだ(たぶん、男とみればだれにでも股をひらくような貞操観念の薄い女なんだろう)。
サバゲーの試合で勝つこともできた。
よかった。
おわり。

このくらいの印象。
うすい。ローソンのカフェオレみたいに、飲みごたえがない。

ただ、この小説に対する悪評は、ストーリーの薄さにむけられているというよりも、むしろ、文章力に対してじゃないかっていう気がする。

アマゾンの評で、誰もがふれているとおり、この文章は他に例を見ないレベル。
正直、おどろいた。




(九段下というキャラが言う)
「絶対に―――許さない!」
 九段下、スイートプリキュアかよ。ちなみにスマイルプリキュアはかなりいいと思う。
 どれくらい俺がいいと思っているか、語ると長いのでやめておく。
 勉強のついでに見ているだけだと……果たして断言できるのだろうか。


この絶対に許さないと言っている対象というのは、さっき話に出てきたサバゲーの相手チームである。
繰り返していうが、悪いことはなにもしていない。
だから、「絶対に許さない」対象ではぜんぜんない。

……これのどこが面白いのだろう?
ただ単に他の作品の名前を出しただけじゃないか。

こういう、文脈を無視して、ただ単に他の作品のセリフを「持ってきただけ」というパロディが、数えきれないくらいあるのである。
そして、そのあとに、主人公の蛇足としかいいようがない感想がつづく。

笑わせたいのだろうか?
しかし、こんなんで笑う人間がいるとも思えない。

同じ作品を知っていることを読者にアピールして、共感をよぼうとしているのだろうか?
お、こいつわかってるな的な感情を読者に持ってもらいたいのか?

自分はよつばと!が大好きなのだが、作中、何度か出てくるよつばと!のパロディはただただ不快でしかなかった。
こんなバカによつばと!の名前を出してもらいたくないという意識のほうが先にたってしまった。

こうした、意味不明なパロディが、時限爆弾のように炸裂しているのが、じつはあとがきである。


 うー、あー、たーやー(見えないダースベイダーと戦いながら)。あ、どうも、弓弦です。ブォン、ブォン。
「ジェダイっていっつもライトセーバー落とすよね。命と同じくらい大事なのに」
 あ、命を捨てろってことか、武士道だな!これから、ミスター・ブシドーって呼ぶわ!げ、原稿が書けない!目に頼るな、フォースを信じるんじゃ!し、師匠!


たったの五行とはいえ、こんな駄文をわざわざ書き写すことに、心底嫌気がさした。


小説という表現物が、どこまでその表現の枠を壊すことができるのかを示したことを知るためには、この本を読まないわけにはいかないだろう。必読。

※ちなみに、この作品を「僕は友達が少ない」と同列に並べている人がいたけれど、それは正しくない。
「僕は友達が少ない」はたしかに文章がうまいとは言いがたいが、とりあえず日本語で書かれていることだけはたしかだし、またギャグの意味もちゃんと理解できる。

[アニメ感想]Angel Beats!が糞アニメである3つの理由

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posted by YenGood at 00:47 | Comment(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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