2016年01月16日

この株は買いなのか?PERを使う上での注意点とは?



 さて、過去2回にわたって、PERとPBRについて説明しました。

 つまり、PER、PBRが低い株は割安であると。

 では、PER、PBRが低い株を買えば、それだけで儲かるのでしょうか。
そうとも言えるし、そうでないとも言えます。

 PER、PBRというのはとても便利な指標です。株式投資にはいくつかの指標がありますが、正直、これだけ知っていればなんとかなります。

 これ以外の指標はおまけみたいなものです。

 これだけ知っていれば、そして、これだけは知っておかなければいけない。
 それがPER、PBRなのです。

 しかし、これらを使うにはいくつか注意点があります。その注意点を認識しないまま、株式投資を行うと痛い目を見ることにもなりかねません。

 それでは、PER,PBRという指標を使うにあたって、注意すべきポイントをあげていきましょう。

 今回の記事ではPERだけを扱うことにします。
 
※特別利益によってPERは異常に低くなる場合がある

 PERは純利益と株価との関係を示した指標です。

 利益と一口に言いますが、実はさまざまなものがあります。

 粗利益、営業利益、経常利益、純利益。

 このなかで重要なのが、営業利益と純利益です。

 営業利益とは、本業で稼いだ利益のこと。トヨタだったら、自動車を売って稼いだ利益。それが営業利益です。

 一方、純利益とはその営業利益にさまざまな利益を足し、またはさまざまな損失を引き、そしてそこから税金を引かれたもの。

 たとえば、銀座に土地を保有していた企業が、その土地を売りました。その莫大な利益は特別利益として処理されます。

 そして、純利益はもちろん、その土地を売った利益を計上します。結果的に一時的に純利益がふくれあがってしまう。そんなことになるわけです。

 ひょっとしたら、その会社の営業利益は去年よりも減っているかもしれません。
なにしろ、今まで保有していた土地を売ったわけですから、経営が悪化しているのかもしれませんよね。

 しかし、土地を売ったお金で純利益は膨れ上がっているわけですから、PERは当然低くなっているのです。

 「この株はPERが低いな」と思っても、すぐに飛びつき買いをしてはいけません。

 その前に営業利益をちゃんと見ましょう。おざっぱな言い方ですが、純利益が営業利益の7割程度であれば、普通です。


※成長している企業、逆に衰退している企業には使いづらい

 PERは純利益と株価の関係を見る指標。さて、それでは、その純利益というのは具体的にいつの純利益を指しているのでしょうか。

 去年?今年?それとも来年?

 投資家がPERを使うとき、普通は半年後、1年後くらいの純利益を意識しています。

 会社というものは、3月に決算するところが多いです。その決算を発表するのは、だいたい5月中旬といったところ。

 そして、その決算発表のときに、来期の業績予想を発表します。もちろん、未来のことですから業績予想があたるとは限りません。
 途中で、上がったり、下がったりすることがあります。

 しかし、その業績予想の純利益を元にしたPERを意識して、投資家たちは株を売り買いしているのです。

 PERはだいたい15倍程度が普通です。業種によっても違うのですが、だいたいこれが基準です。

 ということは、15倍よりも安ければ割安、高ければ割高となります。

 しかし、もし、5年後には純利益が10倍になる会社があったとしたら、どうでしょう。

 この会社の現在のPERは30倍だとしましょう。

 普通の会社の2倍ほど、割高ですね。しかし、5年後のPERはどうなっているでしょうか。

 利益が10倍になっているのですから、5年後のPERは3倍です。鼻血飛び出るレベルで超割安なのです。

 つまり、すごいスピードで成長する会社(たとえば、かつてのヤフーとか)というのはPERの適正基準がどこなのかがなかなかむずかしいんです。 

 未来が遠くなればなるほど、人は未来を見通しづらくなりますから、これは当然のことですが。

 去年、今年、すごい成長をしたとしても、1年後、2年後どうなるかはまったくわかりません。

 栄枯盛衰は世の常。任天堂の倒し方を知っていたGREEは、今にも自分自身が倒れそうになっています。

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(ど、ど、ドリランド。やったことはないのに、CMだけは今でもおぼえてる)




 GREEが出てきたところで衰退している企業についても話しましょう。

 成長が早い企業と同様、衰退している企業に対しても、PERは使いづらいのです。

 1年後、2年後、どんどん純利益が少なくなっていく。もし、そんな企業だったのなら、多少、PERが割安だとしても買いたくはないですよね。

 現在のPERが安くても、2年後には割高になってしまうのですから。

 PERを使うにあたっては注意が必要だということはわかっていただけたでしょうか。

 しかし、株式投資において、PER以上に重要な指標は存在しないということもまた事実なのです。

 皆さんも自分なりのPERの使い方をマスターしてください。


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タグ:経済 投資
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2016年01月07日

株価が高いか安いかはどこで見分けるの?「PBR」

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※株の割安を示す指標、PBRってなんだ?

 前回に引き続き、株のお話です。

 前回の記事では、PER(株価収益率)を紹介しましたが、同じく株の割安性を示す指標、PBR(株価純資産倍率)です。

 PERが利益と株価の関係を示したものだとすると、PBRは株価とその会社の保有している資本の関係を示したものです。

 PERは基本的に来期の予想利益が重視されます。過去のことはしょせん過去のこと。
 1年後、もしくは半年後の利益がどうなるか。それが重要。
 そして、その利益と今の株価の関係はどうか。割安か、割高か。

 それがPERです。

 一方、PBRというものは、その会社の過去、もしくは現在の株主資本と株価の関係を示したもの。

 株主資本とは、大雑把にいって「株主によるお金+これまで自力で稼いだお金 」です。

 簡単に言えば、この会社は今、現在、これだけの工場、車、現金を持っている。
それらと今の株価の関係はどうなっているのか。それがPBRです。

 式にすると以下のようになります。

 
PBR(株価純資産倍率)=株価÷1株あたり株主資本(BPS)
1株あたりの株主資本(BPS)=株主資本※÷発行済み株式数


 株価が分子、一株当たりの株主資本が分母です。
ですので、株価が安くなるか、株主資本が増えれば、PBRが低くなるわけです。

 PBRが低ければ低いほど、株価は割安だとされます。

 これはあくまで理論上の話ですが、PBRが1倍以下になるというのは、あってはならないことだと考えられます。

 というのも、あなたがPBR1倍以下の株をその株価ですべて買占め、その場で会社を解散してしまったとしましょう。

 株主資本は株主のものですので、あなたは株主資本を受け取ることができます。

 すると、あなたが株を買い占めるのに使った金額以上の株主資本が手に入ってしまうのです。

 つまり、PBRが1倍以下の株というのは、100円の価値のものが50円で売っているという状態です。

 もっとも、ここでいう株主資本の価値というものは、あくまで帳簿上のもの。

 帳簿上は100万円の価値があるとなっている車が実際にいくらで売れるかは判然としませんので、確実に儲かるというわけではありません。

 とはいうものの、PBRが1倍以下というのは理論上はおかしいことだということだけは覚えておきましょう。

 別の見方をすれば、PBR1倍以下の会社の経営者というのは、経営者失格であるともいえますね。

 株価というものは会社の価値につけられた値札のようなもの。

 「お前の会社なんてタダでもいらねえよ。どうせ、将来性ないだろうしね」
そう投資家から烙印を押されてるのと同然なのです。

 さて、PERとPBRの説明をしましたが、その株が割安か割高かという判断に関しては、これだけ知っていればオッケーです。

 とは言っても、この知識だけで株式投資に挑むのはおすすめできません。

 「PERが4倍?安いなあ」

 「PBRが0.4倍?これまた安いなあ」

 今はインターネットで株をやる人がほとんどでしょう。つまり、すぐ株を変える状況にあるわけです。

 ぽちっと、あなたがマウスを左クリック。
 それだけで、○○○万円のお金が動く。

 アマゾンでお気に入りの漫画を買う。楽天のポイントでなんか適当な名産を買ってみる。

 そんな感覚で株を買っていいもんなんでしょうか。

 もっとも、私はそんな軽い感じで株を買っています。

 どうせ、自分の金です。
 損したって、自分の覚悟があればそれでいい。

 それに投資歴もそこそこになってくると、やばい会社というのはある程度、見分けがつくようになってきます。
 これは手出し厳禁。
 一目で、ある程度の見分けがつくようになるのです(さすがに東芝の粉飾は見抜けませんけど)。

 だから、自分のことはどうでもいいんです。

 問題はこの記事を読んでいただいている人のこと。

 PERが低い、PBRが低い。ただ、それだけで株を買っちゃっていいもんなんでしょうか?
 うん。だめです。

 だから、もしも、この記事『だけ』を読んで、株を買ってみようと思った方は少し待ってください。

 株式投資にはいろいろな初見殺しが存在していますので。
 私も株を始めたころには、散々で様々な初見殺しに遭遇しました。

 で、そこらへんの話はまた今度にでも。

新 賢明なる投資家 (上) ──割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法《改訂版――現代に合わせた注解付き》 -
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タグ:経済 投資
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2016年01月05日

株価が高いか安いかはどこで見分けるの?『PER(株価収益率)』

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※株が高いか安いかはどこで見分けるの? 


 株式投資をやったことのない人にとって、最大の疑問はこれではないでしょうか。

 「今日の日経平均株価はいくらです」、

 「昨日の終値から200円下がりました」

 テレビのニュースでは、毎日、株価の値動きを伝えています。

 値動きがあるということは、株が売られたり、買われたりしているわけです。

 さて、人が何かを買うということは、どういうことを意味しているでしょうか。

 「何か」を買うということは、その「何か」が安いと思っているから買うわけです。

 もちろん、食料品のように生きているために必要不可欠だから、買わざるを得ないものも当然あります。

 しかし、その食料品のなかでも、できるだけ安いものを人は買おうとするでしょう。

 ほとんどの人は、何かを買う前に、「安い」、「高い」の判断をしているわけですね。
お金持ちは別として。

 株価は毎日、売られたり、買われたりしています。

 買う人と売る人が同時に存在しないと株価というものは成立しません。

 ということはつまり、ある人はこの株価は高いと思い、ある人は逆に、この株価を安いと思っているということになります。

 考えてみれば、不思議なことです。ひとつの株価に対して、まるっきり反対の判断をしている人が少なくとも二組以上いるからこそ、それに値段がついているのです。

 もっとも、人間の判断はそれぞれですし、株価は未来の業績に対して下されるものですから、現在、どちらの判断が正しいのかは判然としません。

 ただし、高い、安いの判断を下すための指標というものはちゃんと存在しています。

 
※その指標が株価なんだよね?

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 それはちょっと違います。

 たとえば、今日(1/5)のトヨタ自動車の株価とホンダの株価を見てみましょう。


 
トヨタ自動車 7226円(前日比-111円)

 ホンダ    3660円(前日比-71円)



 株価だけを見ると2倍近くの差がありますね。

 とすると、ホンダ株はトヨタ株よりも、ずっと割安ということなのでしょうか?

 違います。

 トヨタと、ホンダは発行している株式数が違いますから、そもそも、株価だけで高い安いを比較することなどできないのです。

 
 あなたがトヨタかホンダ、どちらかの株を買いたいと思い、どちらが『お買い得』なのかを知りたいと思っても、株価を見ただけではわからないのです。

 そこで、登場する指標がPER(株価収益率)という指標です。

 これは、企業が生み出した純利益と株価の関係を見る指標です。その株が割安か割高かを判断するのに、もっとも使われる指標といっていいでしょう。

 単純な式にしますとこうなります。


 
PER(株価収益率)=時価総額÷純利益=株価÷一株当たりの純利益


 PERが低ければ、その株は割安です。
 なぜなら、株価に対して、利益が大きいからです。

 逆にPERが高ければ、その株は割高です。
 なぜなら、株価に対して、利益が小さいからです。

 さて、少し、この式をながめてみてください。

 分母が利益をあらわし、分子が株価をあらわしています。
 (時価総額というのは株価×発行株式数です)

 PERが低ければ、その株は割安だ。私はそう述べました。

 ということはPERが低ければ、投資家に買われる可能性が高いということです。
 つまり、この後、上昇する可能性が高いといえます。

 さて、PERが低くなるのはどういうときでしょうか?

 それは二つあります。

 株価が安いとき。そして、利益が大きいときです。

 つまり、株がこれから上昇するのはどういうときか。

 株価が大幅に下がったとき。そして、もう一つは、その会社の業績が大きく上がったとき。

 こういうことになります。結構、単純ですよね。

 しかし、この単純なことが難しいのです。というのも、株価というものは未来(だいたい半年先といわれています)を反映するものだからです。

 人間。誰も未来を見通すことはできない。だから、投資というものは難しいし、また面白いのです。

 一つの目安としては、PERが10倍であれば、あなたが投資した金額を純利益として回収するのに10年かかるということになります。
 (ここでは詳しい説明は省きます。とにかく、PERが10倍であれば、投資してから元をとるのに10年かかる。PER20倍だったら、20年かかる。そのくらいの単純な理解をとりあえずしておきましょう)

 その時の投資状況、または業種によってPERの平均というのは大きく変わりますが、
大ざっぱに言って、PERが10倍以下であれば、割安ということができます。
 つまり、株というのは、買ってから10年くらいで元をとれればいいよね。
 そういう含意のもとになりたっているギャンブルだと思えばいいでしょう。

 さて、トヨタとホンダのPERはいくらでしょう。

 トヨタのPERは10倍、ホンダのPERは12.5倍です。

 つまり、株価とは逆に、トヨタのほうが割安なんですね。
 株価だけで、高い安いとはいえないことがこれでわかります。 

 とはいっても、両者のPERは似通っています。

 東証一部の会社で、PERが100倍を超えている会社はおそらくいくらでもあるでしょう。

 そのなか、ライバル会社とされているトヨタとホンダのPERは10倍と12.5倍です。

 なぜか。
 これは、同業他社の株価のPERは同じ程度に収斂するためです。

 

 先ほども述べたように、株価というものは半年後の業績を反映するといわれています。

 投資家という人たちは、半年後のPERがいくらになるのかを想定しています。
 また、同業他社との比較も常に行っています。
 ホンダがPER12.5倍、トヨタがPER10倍。
 ここから、トヨタの株価が安いと見るか、ホンダの株価が高いと見るか。
 それは、その人の知識とセンスにかかっています。

 いろいろな角度からPERを見て、その上で高い、安いという判断を下し、株を売買しているのです。

 PER以外にも投資家が判断材料とする指標はいくつかあります。

 ですが、基本的に株価の高い安いは、このPER(株価収益率)で判断しています。
 それは、プロもアマチュアも変わりはありません。

 それでは。

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タグ:投資 経済
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